遺構説明に聞き入る来場者のみなさん | |
平成23(2011)年10月1日(土)午後1時より、今治市朝倉北甲に所在する今若遺跡の現地説明会を開催しました。 この遺跡は、国土交通省より委託を受けた当センターが、国道196号今治道路建設に伴う埋蔵文化財発掘調査として、平成18年度より行っている調査の一部です。 同じ路線の発掘調査を行ってきた遺跡として、平成18年度に経田遺跡・平成19年度に経田遺跡・平成21年度に下経田遺跡・平成22年度に朝倉南今若遺跡および鳥越1号墳の現地説明会を開催して、地域の方々や歴史ファンの皆様に埋蔵文化財に触れていただく機会をもうけており、いずれの回も多くの方のご来場をいただいています。今回の開催は、今治道路としては5回目の現地説明会となりました。 調査区内では、焼失建物をはじめとして、竪穴建物内の遺物や炭化材を出土したままの状態で見ていただきました。秋晴れの好天に恵まれたこともあり、笠松山の麓に広がる朝倉の野で、昔の人々の暮らしに思いを馳せていただけたのではないかと思います。 |
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焼失住居・SI15の炭化した木材 職員による遺構説明 出土した遺物の数々 説明パネルを熱心にご覧になる方々 |
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現地説明会当日は晴天に恵まれ、約120人の方々が集まってくださいました。 心よりお礼申し上げます。 |
: 遺跡の概略 : | |
平成23年度の今治道路建設に伴う埋蔵文化財調査は、朝倉南地区・古谷地区・下経田地区の3箇所で行っています(今回の現地説明会は、朝倉南地区の今若遺跡を対象とします)。 この遺跡が所在する朝倉地区は、今治平野の中でも弥生時代の遺跡が集中している地域です。 特に弥生時代中期では平形銅剣が5口出土した保田遺跡や平形銅剣の埋納遺構を検出した経田遺跡(※平成18年度に当センターが発掘調査を行いました)が、後期では湯口の残る小型ボウ(「人」偏に「方」)製鏡が出土した野々瀬IV遺跡が確認されています。このことからこの地域が今治平野におけるこの時期の中心的な存在であったことが想定できます。 これまでの調査において、今若遺跡では、弥生時代中期末から古墳時代中期までの竪穴建物が18棟検出しました。 |
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今若遺跡と笠松山を望む | |
SI10 遺物の出土状況 (南より) | SI12 遺物の出土状況 (北西より) |
SI15 炭化した木材の出土状況 (西より) |
現地説明会資料[PDF] (2.6MB) |
〜この遺跡の発掘調査報告書はこちら〜 (調査箇所の一部のみ含む) |