今若遺跡・鳥越1号墳 現地説明会の報告
[平成22(2010)年11月6日(土):今治市朝倉南]

遺構説明
今若遺跡:遺構説明
遺構説明
鳥越1号墳:石室の見学
 
 平成22(2010)年11月6日(土)午後1時より、今治市朝倉南に所在する鳥越1号墳及び今若遺跡5区の現地説明会を開催しました。

 これらの遺跡は、国土交通省より委託を受けた当センターが、国道196号今治道路建設に伴う埋蔵文化財発掘調査として、平成18年度より行っている調査の一部です。

 同じ路線の発掘調査を行ってきた遺跡として、平成18年度に経田遺跡・平成19年度に経田遺跡・平成21年度に下経田遺跡の現地説明会を開催して、地域の方々や歴史ファンの皆様に埋蔵文化財に触れていただく機会をもうけており、いずれの回も多くの方のご来場をいただいています。

 今回の開催は、今治道路としては4回目の現地説明会となりました。

平成22(2010年)11月6日、現地説明会を開催(全体説明)
職員の誘導のもと、古墳の見学に
安全のため用意された道を登る
墳丘の構造について、職員が説明
石室の構造について、写真パネルを交えた説明
出土した遺物も展示
 現地説明会当日は晴天に恵まれ、約250人の方々が説明会に集まってくださいました。
心よりお礼申し上げます。
: 遺跡の概略 :
○ 朝倉今若遺跡
 朝倉南今若遺跡は今治道路建設に伴い平成20年度から発掘調査が行われており、朝倉南地区に移って2年目の調査となります。

 朝倉南今若遺跡5区からは長さ50m,幅10mにわたり、黒岩川の旧河道を検出しました。 また旧河道に接して土器溜まりが見つかり、古代(7世紀中〜10世紀)の須恵器が出土しています。

遺構説明
今若遺跡:5区全景
 
○ 鳥越1号墳
 鳥越1号墳は、標高約76.9mの丘陵先端部に立地しています。調査の結果、直径14mの円墳であることがわかりました。 墳丘には、版築状の盛土が良く残り、横穴式石室がほぼ完全な形で検出できました。石室の形態は羨道が未発達で玄室の床が低く、横穴式石室が導入された頃の特徴を示しています。

鳥越1号墳:石室内奥壁側に置かれた遺物  石室の内部は盗掘の被害をほとんど受けておらず、埋葬した当時の状態がよく保たれていました。

 石室中央付近に遺骸を安置し、側壁・奥壁・玄門の近くに須恵器の壺や提瓶や杯身が置かれていました。杯身や壺の中には蓋をしたままのものがいくつかあります。そのほか、玉類や鉄鏃・鉄製の鋤先・鎌なども出土しています。

 出土した須恵器から、この古墳は古墳時代後期(6世紀中〜7世紀初頭)に造られたものと考えられます。
鳥越1号墳:石室内奥壁側に置かれた遺物
鳥越1号墳: 石室天井石・版築(はんちく)状土層検出状況 鳥越1号墳:石室奧側から見た玄門(げんもん)
鳥越1号墳:
石室天井石・版築(はんちく)状土層検出状況
鳥越1号墳:石室奧側から見た玄門(げんもん)
(クリックすると別窓で大きな画像が開きます)

鳥越1号墳遠景
鳥越1号墳近景
開口部から見た横穴式石室
玄門より覗く石室内
上から覗いた石室内
石室内に置かれたさまざまな副葬品
石室奥側から見た玄門方向

- 出土した遺物 -
副葬品:装身具 碧玉や水晶、ガラス製の玉類
副葬品・:鉄製品 鋤先、刀子
副葬品:鉄製品 鏃、耳輪

〜 現地説明会当日に配布した資料も合わせてご覧ください 〜

↓↓↓
現地説明会資料[PDF]
(1.0MB)

〜今若遺跡の発掘調査報告書はこちら〜
〜鳥越1号墳の発掘調査報告書はこちら〜



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