遺構説明 | |
平成21(2009)年9月5日(土)午後1時より、今治市朝倉下に所在する下経田遺跡の現地説明会を開催しました。 下経田遺跡は今治道路建設に伴い経田遺跡に続いて発掘調査が行われており、今年は5年目の調査となります。今年度の調査では、弥生時代終わり頃から古墳時代後期の集落が見つかりました。集落の中では、竪穴住居や掘立柱建物のほか流路が検出されました。特に竪穴住居の総数は約60棟を数え、一つの遺跡でまとまって確認された数としては東予地方で最多といえます。 弥生時代終わり頃〜古墳時代はじめ頃(今から約1,800年前)には、約20棟の竪穴住居があり、集落の中を流路が流れていました。流路の中には、1,500点を超える壺や高杯、器台などの土器のほか、実用品ではない折り曲げ鉄器が入れられていました。おそらく集落の中で祭祀などに使われた後に流路に入れられたものと考えられます。 その後いったん集落は無くなりますが、古墳時代中期(今から約1,550年前)になると再び集落が形成され、古墳時代後期(今から約1,400年前)には40棟もの竪穴住居が確認されており、集落が大きく拡大したことがわかりました。 平成18年度には経田遺跡で弥生時代中期終わり頃〜後期はじめ頃(今から約2,000年前)の集落が見つかっており、平形銅剣が埋納された状況で検出されました。今回の発掘調査でその後に続く集落が見つかったことで、経田遺跡・下経田遺跡では弥生時代中期〜古墳時代にかけて約600年にわたって遺跡が広く拡がっており、長期にわたり人々が住み着いて生活をしていたことが分かってきました。 現地説明会には、今治市内だけでなく県内外からも多くの方々が来られ、210人の参加者を迎えて大変盛況な会となりました。 昔の住居の内部や出土土器を興味深く見学される方が多く、「近くにこんなにすごい遺跡が残っていたのね」と驚かれる方もおられ、経田遺跡に続いて3回目の現地説明会となり、回を重ね、地元の方々の関心が高まっていることを改めて感じました。どうもありがとうございました。 |
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遺物説明 |
現地説明会資料[PDF] (1.0MB) |