五十嵐城ヶ谷遺跡・石清水八幡神社参道(遍路道)
埋蔵文化財発掘調査「現地説明会」

[2024年10月29日(日):今治市五十嵐]

 2024年9月29日(日)、今治市五十嵐に所在する石清水八幡神社参道(遍路道)・五十嵐城ケ谷遺跡の発掘調査現地説明会を開催しました。

 当センターでは、長期にわたり一般国道196号今治道路に伴う発掘調査を実施しています。

石清水八幡神社参道(遍路道)・五十嵐城ケ谷遺跡の調査には、今年度の4月から着手しており3月末をもって一般国道196号今治道路に伴うすべての発掘調査が終了となる予定です。

 説明会では五十嵐城ケ谷遺跡が中世から宗教関連施設として存在していた可能性や、石清水八幡神社参道(遍路道)の平坦面1・2で石清水八幡神社が勧請される以前である古代から祭祀的な活動が行われていたことや、参道階段の石材が18世紀後半以降のものであることなどについてご説明し、遺物やパネル、動画などをご覧いただきました。当日は、120名程度の方々にご参加いただき盛況のうちに現地説明会を終えることができました。近隣住民の方々をはじめ、ご参加くださった皆様に御礼申しあげます。

:遺 跡 の 概 要:

  『四国遍路霊場記』に掲載されている絵図に石清水八幡神社参道の中腹に「店」、裾に「村」とあり、「店」が石清水八幡神社参道(遍路道)の平坦面2、「村」が五十嵐城ケ谷遺跡にあたるのではという推測の下、調査を開始しました。

 石清水八幡神社参道(遍路道)の調査では、参道の測量調査や使用されている石材の矢穴の調査と、参道付近に認められる平坦面1・2の発掘調査を行いました。参道の測量調査に伴って旧階段と思われる石列や補強石などが発見されたほか、現参道階段の整備が18世紀以降に行われたことが判明しました。また、平坦面1・2から「店」となるような掘立柱建物などは認められませんでしたが、古代や中世の儀礼用の土器が出土しており、石清水八幡神社勧請以前から、儀礼的な活動がこの丘陵で行われていた可能性が考えられます。

 五十嵐城ケ谷遺跡では中世や近世の遺構が発見されており、中世の掘立柱建物2棟や大型の区画溝、時期検討中の井戸(現在掘削中)などを見学していただきました。儀礼用に用いられたとされる柱状高台付皿が多量に出土したことや、規格的な大型溝が検出されたこと、周囲に神社や寺などの宗教施設が数多く展開していることなどから、五十嵐城ケ谷遺跡は一般的な集落ではなく、宗教施設に関連する遺跡である可能性が推測されます。












~ 現地説明会当日に配布した資料も合わせてご覧ください ~

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現地説明会資料[PDF]




 

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