今回の注目度No.1・丸太列の説明に聞き入っています。 | |
平成27年1月31日(土)午後1時より、今年度2回目、合計4回目となる現地説明会を開催いたしました。 今回は竪穴建物群や丸太列・木製品など、弥生時代の遺構・遺物の説明を中心に、周辺の地形や環境も実感していただけるような説明を心がけましたが、いかがでしたでしょうか? 発掘体験コーナーでは、腐植土層中から「葉」を見つけた方も居られたようです。 前日の雪の影響で足元は悪く、当日も寒い一日でしたが、約230名の見学者に足を運んでいただき、熱気に満ちた説明会となりました。心より感謝申し上げます。 |
|
県内最古級の鍛冶工房? SI07の説明に熱が入ります。 発掘体験1:調査員から説明を受けて、さぁ発掘です。 発掘体験2:何が出てくるかな? 発掘体験3:腐植土層から「葉」が出土しました。 良好な状態で出土した木製品には調査員もビックリ!! |
: 遺跡の概略 : | |
今回の新谷森ノ前遺跡2次の現地説明会は、昨年6月に行った現地説明会に続いて2回目となります。7月以降は主に弥生時代から古墳時代の集落や流路、溝、埋没谷などの調査を行いました。 7区の竪穴建物群は弥生時代中期後半から後期頃(約2,000〜1,900年前)で、埋没谷の西岸で見つかりました。そのうち、直径約10mの大型で円形のSI7からは、鉄製品や鉄の破片、ガラス小玉35点が出土しています。また、地面が赤く焼けた痕跡も確認されており、「鍛冶工房」の可能性があります。 7区南東側の弥生時代後期の流路・溝からは建築部材が出土しました。木材の種類や加工の仕方などから、高床建物に使用された材料と考えられます。また、法面("のりめん":※)には9本の丸太がスロープ状に敷設され、水辺での作業に関する遺構と推定されます。 9区では、古墳時代後期(約1,400年前)の建物が見つかりました。遺跡周辺の丘陵上には多数の後期古墳が存在していますが、新谷森ノ前遺跡の調査で同時期の集落が初めて確認されました。 10区は流路・溝や谷が検出されました。低地や水辺では、土中では早くに分解されてしまう自然遺物が良好な状態で残ることが多く、水の流れを変える堰や弥生時代から古代頃と考えられる木の根株が見つかっています。これらと合わせて、木製品や種子類などの遺物も展示予定です。 ※法面(のりめん)…切土や盛土により作られる人工的な斜面。 |
|
7区 建築部材出土状況(南より) | |
7区 丸太列出土状況(南より) | |
9区 完掘状況(上空より) | |
10区 SX01(根株)検出状況(西より) |
現地説明会資料[PDF] (4.5MB) |