五十嵐城ヶ谷遺跡・石清水八幡神社参道(遍路道)
埋蔵文化財発掘調査「発掘調査成果報告会」

[2025年3月2日(日):今治市五十嵐]

 2025年3月2日(日)、今治市五十嵐に所在する石清水八幡神社参道(遍路道)・五十嵐城ヶ谷遺跡の発掘調査成果報告会を開催しました。

 当センターでは、長期にわたり一般国道196号今治道路に伴う発掘調査を実施しています。石清水八幡神社参道(遍路道)・五十嵐城ヶ谷遺跡の調査には今年度の4月から着手しており、3月末をもって一般国道196号今治道路に伴うすべての発掘調査が終了となる予定です。

報告会では石清水八幡神社参道(遍路道)・五十嵐城ヶ谷遺跡の発掘調査成果について、それぞれお話をさせていただき、あわせて出土遺物をご覧いただきました。当日は、足元の悪い中52名程度の方々にご参加いただきました。近隣住民の方々をはじめ、ご参加くださった皆様に御礼申しあげます。

:遺 跡 の 概 要:

 『四国遍路霊場記』に掲載されている絵図に石清水八幡神社参道の中腹に「店」、裾に「村」とあり、「店」が石清水八幡神社参道(遍路道)の平坦面2、「村」が五十嵐城ヶ谷遺跡にあたるのではという推測の下、調査を開始しました。

 石清水八幡神社参道(遍路道)の調査では、参道の測量調査や使用されている石材の矢穴の調査と、参道付近に認められる平坦面1・2の発掘調査を行いました。参道の測量調査に伴って旧階段と思われる石列や補強石などが発見されたほか、現参道階段の整備が18世紀以降に行われたことが判明しました。また、平坦面1・2から「店」となるような掘立柱建物などは認められませんでしたが、古代や中世の儀礼用の土器が出土しており、石清水八幡神社勧請以前から、儀礼的な活動がこの丘陵で行われていた可能性が考えられます。

 五十嵐城ヶ谷遺跡では中世や近世の遺構が発見されており、中世の掘立柱建物5棟や大型の区画溝、地下式坑、近世の井戸やなどについての説明をさせていただきました。儀礼用に用いられたとされる柱状高台付皿が多量に出土したことや、大型溝が検出されたこと、周囲に神社や寺などの宗教施設が数多く展開していることなどから、五十嵐城ヶ谷遺跡は一般的な集落ではなく、宗教施設に関連する遺跡である可能性が推測されます。






~ 現地説明会当日に配布した資料も合わせてご覧ください ~

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現地説明会資料[PDF]




 

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