令和6年1月21日(日)午後1時より、宇和島市津島町岩松の岩松公民館において、発掘成果報告会を開催しました。
当センターでは、令和5年5月から10月にかけて一般国道56号津島道路関連埋蔵文化財調査として、「音無城跡」と「下畑地内田遺跡」の2箇所の遺跡の発掘調査を実施しました。
音無城跡では、山城の一部のみの調査で遺物の出土はありませんでしたが、地山を階段状に成形するなどの築城方法が分かりました。文献などから15〜16世紀頃に機能した山城と考えられます。
下畑地内田遺跡では、掘立柱建物・柵列・井戸・柱穴などの遺構を調査し、貿易陶磁器(青磁・白磁)・東播系須恵器・瓦器・土師器・木製井戸側などの遺物が出土しました。これらの遺構や遺物から中世前期(12世紀中頃〜14世紀)の集落であったことが分かりました。この時期の遺跡の発掘調査は南予地方初と思われます。
当日はスライドを使って発掘調査現場の状況を説明し、写真パネル・遺物を展示しました。約30名の方々に参加いただき、盛況の中無事に説明会を終えることができました。ご協力いただきました宇和島市教育委員会をはじめ、関係諸機関の皆様に御礼申し上げます。 |