遺物の説明に聞き入る見学者の皆さま | |
2020年2月29日(土)午後1時より、西条市石延から安用に所在する北竹ノ下I遺跡の現地説明会を開催しました。 当センターでは道前平野農地整備事業に伴う発掘調査を昨年度より実施しており、現地説明会の開催は昨年度に続き2回目となります。 当日は悪天候のため、予定していた現地の見学はできませんでしたが、約40名の方々にご参加いただき、熱心に説明を聞いていただきました。 北竹ノ下I遺跡における今年度の調査では、縄文時代から江戸時代初頭にかけての遺構・遺物がみつかっており、説明会では、そのなかでも弥生時代終末期から古墳時代初頭、および室町時代後半期(15世紀頃)の集落跡の様子や、各時期の集落跡から出土した遺物について詳しく説明をおこない、その特徴をご覧いただけたかと思います。 最後になりますが、昨年度同様、調査地周辺に駐車場が確保できなかったため、地元限定での開催になってしまったことをお詫び申し上げますとともに、近隣住民の方々のご助力により、盛況のうちに現地説明会を終えることができたことに篤く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。 |
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中世の集落跡の説明をする調査員 |
:遺 跡 の 概 要: | |
北竹ノ下I遺跡は西条市石延から安用に所在する遺跡で、昨年度より農地整備事業に伴う発掘調査を行っています。 2年目となる今年度の調査では、弥生時代中頃〜古墳時代初頭、室町時代の終わり〜江戸時代初期にかけての遺構や遺物を確認することができ、各時期の集落跡の様相が部分的に明らかとなりました。 弥生時代では、弥生時代中期中葉以降に造られた集落跡を確認し、この時期に造られた集落が古墳時代初頭頃まで存続したことや、その集落域が比較的広範囲に及ぶ事実などを確認しています。また、集落内から出土した土器のなかには畿内地域や吉備地域のものがみられ、当時これらの地域との間に文化的な交流があったことが明らかになりました。 室町時代では屋敷地の一部と考えられる方形区画溝などが見つかっています。部分的な調査であったため、屋敷地の全体像はやや不明瞭ですが、この時期の周辺の歴史を考えるうえで非常に貴重な資料であるといえます。 |
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重複する竪穴建物 | |
室町時代の方形区画溝 | |
弥生時代終末期〜古墳時代初頭の集落発見時の様子 | |
竪穴建物に捨てられた土器 |
現地説明会資料[PDF] (4.41MB) |