遺跡のある丘陵から眼下に拡がる風景を眺める | |
平成28年8月6日(土)午後1時より、今治市新谷に所在する新谷古新谷遺跡2次の現地説明会を開催しました。 当センターは一般国道196号今治道路建設に伴って発掘調査を実施しており、今治市新谷における現地説明会は平成24年度の調査開始から6度目となります。 当日は約120名の方々にご参加いただき、大変に暑い中でしたが熱心に説明を聞いていただきました。 新谷古新谷遺跡2次調査では、弥生時代後期の集落がみつかり、中でも土器棺墓、竪穴建物から出土したガラス小玉、集落をはしる溝について詳しく説明をし、その特徴を見ていただけたかと思います。 最後になりますが、猛暑の中、広範囲の調査区を歩くことになり参加者の皆さまにご負担をお掛けしたことをお詫び申し上げますとともに、盛況のうちに現地説明会を終えることができたことに篤く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。 |
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溝に残された多量の遺物の説明をする調査員 集落の特徴をまとめたパネルを説明する調査員 熱心に遺物の説明を聞き入る皆さま |
: 遺跡の概略 : | |
今治道路建設に伴う埋蔵文化財調査は平成17年度から継続して行っており、新谷古新谷遺跡周辺の様相も明らかになりつつあります。 昨年12月から調査を開始した新谷古新谷遺跡は、弥生時代から中世の遺跡です。主な遺構は、弥生時代後期及び古墳時代後期の集落で、竪穴建物31棟・掘立柱建物5棟以上・土器棺墓2基・土坑13基以上・井戸1基・小穴約1,800穴・溝約100条・谷1本などが見つかっています。 見どころは、弥生時代後期の溝と土器棺墓です。集落内には竪穴建物群がまとまりを持ってみつかっており、溝はそれらの間を走っています。規模は幅約1.5m・深さ約50pで、溝中には土器が多く廃棄され、埋没過程は2時期に分かれます。土器棺墓は壺を「ひつぎ」として使用した墓です。 また、いくつかの竪穴建物からガラス小玉が出土しているほか、古墳時代後期の溝(1区SD13)の底から出土した木製の梯子や、遺構外出土であるものの古代の円面硯も注目されます。 今回の現地説明会では、特に弥生時代後期の集落に注目し、現地の状況・出土遺物・写真パネルを見ていただきながら建物群、溝、墓をあわせた生活域の景観に迫りました。 |
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竪穴建物完掘状況(北東より) | |
土器棺墓出土状況(南東より) | |
溝内遺物出土状況 |
現地説明会資料[PDF] (6.9MB) |