古谷犬山谷古墳 遺跡説明会の報告
[平成23(2011)年10月1日(土):今治市朝倉北(今若遺跡 現地説明会と同時開催)]

古谷犬山谷遺跡_北石棺出土大刀
北石棺出土の大刀
 古谷犬山谷遺跡は平成23(2011)年9月15日(木)に報道機関対象の現地説明会を行い、日を改めた平成23(2011)年10月1日(土)午後1時より、同じ今治市朝倉に所在する今若遺跡の現地説明会と同時開催にて、一般の方向けの説明会を行いました。

 調査現場が急峻で狭小な丘陵上にあり足場など危険なため、遺跡説明会は別の場所での写真パネルと出土遺物の展示による説明となりましたが、副葬品として出土した3本の大刀をはじめとする遺物やパネルを熱心にご覧いただき、職員の説明に耳を傾ける方がみうけられました。

 当日は秋の好天に恵まれ、多くの方にご来場いただきました。どうもありがとうございました。

古谷犬山谷遺跡説明会_職員によるパネル説明
職員によるパネル説明
古谷犬山谷遺跡_墳丘から出土した遺物
墳丘から出土した遺物


:遺 跡 の 概 要:
 古谷犬山谷古墳は、当センターが愛媛県東予地方局から受託した多岐川総合防災工事に伴う発掘調査で調査した遺跡です。

 この古墳は、西から東にのびる丘陵先端部付近を堀切状にカットして周溝を設けた地山成形の一辺約10メートルの方墳で、墳丘中央から石棺を二基検出しました。

 石棺は頭位を東へ向け南北に並置し、内部からは人骨とともに大刀が出土しています。石棺の周囲には石棺を包み込むように人頭大の石が配置され、また、内部には大刀と側壁との間に小石が規則正しく配置された特徴的な構造となっています。両石棺ともに人骨が残っており、科学的な分析によって遺骸(被葬者)の関係も明らかになる可能性を有しています。
 南側の石棺内部には赤色顔料や赤色顔料の付着した有機質が残っており、遺骸を被うか包んでいた素材の解明に繋がるものと考えられます。
 
 5世紀中葉の小型方墳における石棺の並列配置から、埋蔵時の状況や葬送儀礼、古墳造営集団や被葬者の人物像などを探る好資料となります。
墳丘と埋葬主体
墳丘と埋葬主体(左が北)
北石棺 南石棺
北石棺 南石棺

〜 説明会当日に配布した資料も合わせてご覧ください 〜

↓↓↓
説明会資料[PDF]
(3.2MB)

〜この遺跡の発掘調査報告書はこちら〜



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