絵画土器(高杯) | |
平成17(2005)年12月4日(日)、今治市別名(べつみょう)に所在する別名一本松古墳・別名寺谷I遺跡において、今治新都市開発に伴う発掘調査の現地説明会を行いました。 別名一本松古墳・別名寺谷I遺跡は、今治平野北西部にある低丘陵上(標高約65m)、および枝分かれした丘陵に挟まれた谷部(標高約35〜50m)に立地しています。 別名一本松古墳は、後世の削平が激しく、原形をとどめていない部分が多いものの、円丘部の盛土や地山整形の痕跡から判断して、墳長約30mの前方後円墳である可能性が高いと考えられます。死者を埋葬する主体部は2基確認でき、いずれの内部からも青銅鏡をはじめ、鉄器や玉製品が出土しました。また床面には赤色顔料が確認されました。出土した土器などから、この古墳は4世紀末頃(古墳時代前期)に造られたものと考えられます。 別名寺谷I遺跡は、昨年度に引き続いての調査です。これまでの調査では弥生時代から平安時代にかけての集落跡や鍛冶遺構を確認していますが、今回の調査でも鍛冶炉10基が見つかっており、隣接する別名端谷(はしだに)I遺跡や、四国初の製鉄炉が確認された高橋佐夜ノ谷(さやのたに)II遺跡などとの関連性が注目されます。また、黒色土器、施釉陶器、青磁、硯、瓦などの豊富な遺物からも、一般集落とは異なる官的な施設の存在を窺い知ることができます。 また、今回の調査では弥生土器の高杯に描かれた2棟の建物が発見されました。そのうち、壁を表現したものは平地式建物の可能性が極めて高く、当時の建物を知ることのできる貴重な資料として全国的にも類例のないものです。 説明会当日はあいにくの雨模様ながら、総数136名の方々が集まってくださいました。心よりお礼申し上げます。 |
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内行花文鏡 | 神獣鏡 |
別名一本松古墳:主体部遺構説明 | 別名一本松古墳:墳丘近景 |
遺物説明 | 報道発表 |
現地説明会資料[PDF] (1.4MB) |
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