今治新都市開発整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査 現地説明会
[平成17年3月19日(土):今治市高橋]


高橋仏師1号墳から出土した鶏形埴輪
高橋仏師1号墳から出土した鶏形埴輪
 
 平成17年3月19日(土)、今治市高橋において、今治新都市開発整備事業に伴い、平成15年2月から平成17年3月にかけて発掘調査を実施した17遺跡(現場公開は2遺跡)の現地説明会を行いました。
 これらの遺跡は、今治平野の北西部にあたる丘陵上およびその谷部に立地しています。

 高橋仏師(ぶっし)1号墳は、標高約83mの丘陵尾根上にあり、後円部は一部削られていますが、調査の結果、推定墳長約21mの前方後円墳であることが確認されました。前方部には前方後円墳を作る前にあった木棺墓が残っており、中からは鉄製品(鉄剣、鉄鏃、鉄斧など)が副葬されていました。墳丘は地山を削り、その後盛土を施しています。墳丘斜面およびくびれ部からは、多量の円筒埴輪片が検出されており、中には鶏や人物(女性の髷や腕か)をかたどったものも見られます。
 後円部には横穴式石室があり、床面は追葬の様子が復元できる良好な状態でした。副葬品には須恵器や鉄製品、馬具、玉類などが出土しており、古墳時代後期(6世紀中葉から末葉)の小地域の有力首長墳であったと考えられます。

 また、1号墳の立地する丘陵下部には、円墳である高橋仏師2号墳があります。幅狭の横穴式石室をもち、床面には副葬品が埋葬当時のままの状態で検出されています。出土遺物の中には、直径約2.5cmの儀鏡(ぎきょう)も確認されています。

 当日は晴天に恵まれ、約200人の方々が説明会に集まってくださいました。どうもありがとうございました。
 
高橋仏師1号墳の横穴式石室 高橋仏師1号墳:主体部2(前方部)
高橋仏師1号墳:横穴式石室 高橋仏師1号墳:主体部2(前方部)
高橋仏師2号墳:遺構説明 現地説明会場の全景
高橋仏師2号墳:遺構説明 現地説明会場の全景
パネル展示 遺物展示
パネル展示
遺物展示


〜この遺跡の発掘調査報告書はこちら〜


[恐れ入りますが、ブラウザ上でウィンドウを閉じてお戻りください]

Copyright (C)2000 The Ehime Research Center for Buried Cultural Properties. All right reserved.