松ノ丁遺跡:カマド付き竪穴住居跡(古代) | |
平成16年7月3日(土)、西条市小松町北川において、国道11号小松バイパスに伴う発掘調査を行った大開遺跡・松ノ丁遺跡現地の現地説明会を開催しました。 大開遺跡・松ノ丁遺跡は、道前(周桑)平野を流れる中山川の右岸にある河岸段丘上(標高約9〜12m)に立地しています。 松ノ丁遺跡では、竪穴住居12棟、掘立柱建物9棟をはじめ、たくさんの遺構が検出されました。カマド付き竪穴住居や倉庫と考えられる総柱構造の掘立柱建物も見つかりました。遺跡が営まれた時代は、近くにある国史跡法安寺跡と同じ白鳳時代(7世紀後半)から奈良時代を経て平安時代の9世紀末ころまで営まれていたことがわかりました。 また出土遺物には一般の集落からはあまり出土しない製塩土器や赤色塗彩土師器、他地域で作られた土師器が出土しています。こうしたことから松ノ丁遺跡に住んでいる人たちは比較的水準の高い暮らしをしていたことがわかります。法安寺や地方豪族との関連が注目できそうです。 大開遺跡でも、調査区の東側では8世紀ころの掘立柱建物9棟をはじめ、たくさんの遺構が検出されました。掘立柱建物の配置をみてみると官衙によく見られる「コ」字形の配置であることがわかります。字が書ける人がいたことを示す須恵器の転用硯も出土していることから、当時の役所に関連する建物があったと考えられます。 また調査区の西側では弥生時代の遺構が多く見つかるようになりました。弥生時代中期後半(今から約2,100年前)の円形の竪穴住居からはたくさんの石鏃とサヌカイトの剥片が500点以上出土していることから石器製作をしていた住居と考えられます。 両遺跡からは条里地割り関連遺構も見つかっています。 当日は晴天に恵まれ、約130名の方々が説明会に集まってくださいました。どうもありがとうございました。 |
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松ノ丁遺跡:掘立柱建造物(古代) | 大開遺跡:掘立柱建造物及び柵列(古代) |
大開遺跡:石器製作竪穴住居跡(弥生時代中期後半) | 遺構説明 |
パネル説明 | 遺物説明 |
現地説明会資料[PDF] (2.6MB) |
〜この遺跡の発掘調査報告書はこちら〜 |