遺構説明 | |
平成16年1月31日(土)、四国中央市上分町において、国道11号川之江三島バイパス建設に伴う発掘調査を行った上分西遺跡の現地説明会を開催しました。 上分西遺跡は、金生川の扇状地の南西端に立地し、比較的水に恵まれていたと考えられ、縄文時代後期から中世まで各時代の遺構や遺物が出土しています。 縄文時代後期の土器とともに石錘(せきすい)が12点出土しています。弥生時代の遺物としては、簾状文(れんじょうもん)という文様の施された中期の壺が出土しています。この文様の土器は、近畿地方に多くみられ、四国では徳島県や高知県で出土することが知られています。また、弥生時代後期の集石遺構から壺など多数の土器も出土しています。 調査区内で古代の遺構は確認できませんでしたが、調査区内を流れる自然流路の底から大量の須恵器等が出土しています。これらの土器は、大きな破片が多く、またほとんど摩耗していないことから、近接する上流域に古代の大規模な遺跡が存在する可能性が指摘できます。 鎌倉時代から南北朝にかけての時代では、2面の集落跡が確認されています。これまでの調査で柱穴と思われる遺構の数は1200を越えていて、かなりの規模の集落であったと考えられます。これらの遺構から掘立柱建物のプランを復元してみると、現在の地割りと同じ方向のものと、やや異なった方向に建てられたものとがあり、現在の地割りの起源を研究するうえで有効な資料です。 この遺跡は、各時代の遺物・遺構に恵まれていることから、この地方の歴史を研究するうえで欠かせないものとなるでしょう。 当日は晴天に恵まれ、約350名の方々が説明会に集まってくださいました。どうもありがとうございました。 |
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パネル説明 | 遺物説明 |
弥生時代遺物出土状況 | 弥生時代の遺構 |
中世の遺構 | 縄文時代の遺物 |
弥生時代中期の遺物 | 弥生時代後期の遺物 |
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古代の遺物 | 中世の遺物 |
現地説明会資料[PDF] (852KB) |
〜この遺跡の発掘調査報告書はこちら〜 |