別名端谷I遺跡出土・銅印 | |
平成15年2月22日(土)、今治市阿方において、今治新都市開発整備事業に伴い発掘調査を行った阿方牛ノ江 II 遺跡で現地説明会を開催しました。あわせて、当センターと今治市教育委員会が発掘調査を実施した、計12遺跡のパネル・遺物展示も行いました。 阿方牛ノ江 II ・ III 遺跡の立地環境は、今治平野北西部の、低丘陵に挟まれた谷部および丘陵斜面に位置し、南側に大きく開けています。 調査の成果としては、阿方牛ノ江 II 遺跡では掘立柱建物跡5棟以上、井戸2基、谷部を縦横に走る多くの溝などを検出しました。掘立柱建物は谷中央部を挟んで展開されており、居住域と倉庫群に分かれているものと思われます。また井戸は木組みの状況が良く残っており、古代の生活を知るうえで貴重なものです。また阿方牛ノ江 III 遺跡では、竪穴住居跡が3棟検出されており、集落の様子の一端が明らかになりました。 遺物では、主に古墳時代から古代(奈良〜平安時代)にかけての土師器や須恵器、墨書土器などが出土しています。また、別名端谷I遺跡からは円面硯のほか、「倉正私印」と読むことのできる銅印が出土しており、遺跡の性格を考える上で貴重な資料になると思われます。 当日は悪天候にも関わらず、約200名の方のご参加をいただきました。どうもありがとうございました。 |
|
阿方牛ノ江 II 遺跡:全景 | 阿方牛ノ江 II 遺跡:現場説明 |
阿方牛ノ江 II 遺跡:井戸検出状況 | 阿方牛ノ江 II 遺跡:現場説明 |
パネル展示 | 遺物説明 |
〜この遺跡の発掘調査報告書はこちら〜 |