[ 高橋仏師古墳群の全景 ]
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所在地
今治市高橋
所属時期
古墳時代前期〜後期
高橋仏師古墳群は、今治平野北西部にある低丘陵上にあります。平成16(2004)年の今治新都市開発に伴う発掘調査により明らかとなりました。
このうち4号墳は、標高110mと一番高い場所に古墳が造られており、埋葬施設およびその上からは玉製品や破鏡のほか、古式土師器や赤色顔料の付いた石杵が確認されました。おそらく墓上で「マツリ」が行われたものと考えられます。
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1号墳は一部削られた部分もありますが、全長約21mを測る前方後円墳であることが分かりました。くびれ部や斜面からは、円筒形や鶏・人物などの各種埴輪や、壺などを載せる須恵器の器台などが出土しています。
埋葬施設は横穴式石室が採用され、床面からは副葬当時の状態で須恵器や鉄製武器(刀・鏃など)・馬具(轡・辻金具)・玉製品などが見つかっています。発見当時の様子から、おそらく最低5人の埋葬が想定されます。
また、この1号墳が造られる前には、4号墳と同時期の前期古墳があったことが明らかで、その埋葬施設からは豊富な鉄器群と「マツリ」で用いられた古式土師器が出土しています。 |
[ 2号墳の横穴式石室 ] |
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そのほか、1号墳のある丘陵下には、同じく横穴式石室を埋葬施設に持つ、径9mの円墳である2号墳や、箱式石棺がみられる3号墳が展開していることも明らかになりました。
このように、高橋仏師古墳群の展開は、大まかには4号墳→1号墳→2号墳(3号墳)と追うことが可能と考えられます。古墳の築造時期も、前期初頭(3世紀中頃)から後期末葉(6世紀終わり)と幅広く、当地域の古墳時代を考える上で貴重な成果であるといえます。
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