東峰遺跡第4地点

遺跡遠景(北より)
[ 遺跡遠景(北より) ]
所在地
 伊予市双海町上灘
所属時期
 旧石器

 東峰遺跡第4地点の発掘調査は、四国縦貫自動車道建設に伴って行われ、建設地内の3,900平方メートルが調査されました。遺跡は中央構造線の南側で、標高約300mを測る独立丘陵が点在する中山川上流域にあります。ここでは後期旧石器時代前半期と後半期の2つの時期の石器群が確認されています。

 後期旧石器時代前半期の石器群は、姶良Tn(あいらたんざわ)火山灰の降灰層準(約2.5万年前)よりも下位から出土しており、10点の石器が確認されました。これらはブロック(地点分布)を形成することなく散漫に出土しており、出土した石器類には、台形様石器・石斧・石核・二次加工のある剥片・剥片がありました。これら石器に使用された石材は、台形様石器には安山岩、石斧には緑泥片岩、石核にはサヌカイト、剥片などには赤色珪質岩があり、多様な石材利用をみることができます。

 出土した石器群は、台形様石器と石斧(局部磨製石斧)の組成で特徴づけられるもので、後期旧石器時代後半期における西日本一帯で確認される石器群に共通するものです。また、石器群の出土層位は姶良Tn(あいらたんざわ)火山灰の下位から出土していることからも、この石器群は西日本でも最古段階に位置づけられるばかりでなく、四国内では初めての出土例であり、四国最古の人類の足跡を発見したことになりました。

 東峰遺跡第4地点で発見された石器は数少ないものでしたが、今後の調査研究によってより詳細な事実がわかることも期待されるでしょう。また、当時の生活様式を考えると、愛媛最古の人類はこの地以外にも点々と移動を繰り返したと思われることから、まだ多くの最古級遺跡が発見されることが期待できます。
AT下位石器群1
[ AT下位石器群1 ]
AT下位石器群2
[ AT下位石器群2 ]
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